当社は明治時代から商売をはじめました。戦後には、宮本商店として、なまり節や焼きちくわの製造を開始、昭和26年に現在の宮本水産株式会社を設立しました。主に地元水産物の二次加工をしており、最終商品をつくる企業へ販売しています。
東日本大震災の際に発生した津波によって本社工場、冷蔵庫が全壊。これからどうするのか、事業を継続することができるかどうか、正直途方に暮れました。そんなときに、石巻商工会議所が主催をしている石巻水産復興会議でグループ補助金の話を聞いたのです。この補助金があれば、全壊した工場や、冷蔵庫を直して、元の規模で商売できるのではないかと思いました。
ただ、補助金をもらうためには申請書類を作成しなければなりません。私たちにとって、補助金の申請書類を作成することは非常に難しいものでした。いわゆる役所の書類で、今まで書いた経験がなかったので、正直「チンプンカンプン」でした。
私の母が15年間、商工会議所の女性会で副会長をしていたこともあり、女性会の事務局を担当していた内海さんとは面識がありました。そこで、申請書類のつくり方について、商工会議所に相談することにしました。内海さんたちスタッフのみなさんに丁寧に指導していただき、無事にグループ補助金を獲得することができました。そして、平成24年12月に新工場が無事に完成。本格的に商売を再開することができました。本当に感謝しています。商工会議所には、これからも役に立つ情報を集めて、それを分かりやすいように噛み砕いて教えてほしいですね。
当社は、石巻の市場に揚がった魚をお客さまの要望に応えて、あらゆる形に加工できる工場を目指しています。そのため、どうしても機械化に限界があるので、人に負担が掛かってしまうところがあります。これをどうやって軽くしていくかということが課題ですね。また、同時にどんな注文にも応えられるように加工技術も常に向上させていきたいと思います。
担当者からひと言
ご相談は最寄りの商工会議所までお気軽にどうぞ!
私が女性会の事務局を担当していたとき、現社長・専務のお母さまが当所女性会の副会長を務められていました。ですから、そのころからの長いお付き合いですし、会議所の講習会やマル経融資もご利用いただいています。
今回、申請書類を初めて書くということでかなり苦労されたようですが、非常に粘り強く取り組まれました。アドバイスをしっかりと理解し、次回にはそれを反映していただきました。
津波で全壊し、再建中の魚市場が今年夏前には完成予定です。宮本水産さんに限らず、石巻には風評被害の払拭や販路の拡大など、課題がたくさんあります。地域の盛り上がりに貢献するため、これからもきめ細やかな支援をしていきたいです。
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