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押さえておきたい容リ法 vol.3 持続可能な仕組み構築を

リサイクルを取り巻く環境が複雑に変化

近年顕在化してきた国内外におけるリサイクルを取り巻く大きな環境変化が、さらに加速し複雑化してきています。2017年12月末に施行された中国による固体廃棄物の輸入禁止措置は、その対象範囲を年々拡大し、わが国のプラスチックくずや古紙の輸出に関して、そのボリューム、金額、そして輸出先に大きな変化をもたらしています。

プラスチックくずについては17年までは中国が全体の5割強を占めていたのが、20年(9月まで)は1割弱まで落ち込み、17年に約5%だったマレーシアが3割強を占めるようになりました。こうした日本の廃棄物の海外での受け入れ動向の変化は、廃棄物の国内滞留に伴うリサイクル能力の逼迫(ひっぱく)やコストの高騰のみならず、リサイクル製品の市場動向にも大きな影響を及ぼします。その結果、容器包装再商品化の事業運営、経営環境にもコスト負担増、収益源などの大きなダメージとなっています。

加えて今年になって新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、社会変化、経済悪化などの甚大な影響が出ています。容リ協会としてはリサイクルを取り巻く環境変化に注視しております。

また喫緊の課題としては、リチウムイオン電池などの発火危険物の廃棄物への混入による発煙・発火トラブルが、国内のリサイクルにおける大きな阻害要因となってきており、プラスチック製容器包装のリサイクルに極めて深刻な影響を及ぼしています。容リ協会登録のプラスチック製容器包装の再商品化事業者に生じた発煙・発火トラブルは、17年度が56件、19年度が301件、今年度は9月までで130件と急増。火災事故により事業撤退に追い込まれた、あるいは復旧に半年以上かかったケースもあり、再商品化事業者への影響は甚大です。

容リ協会は関係省庁および関係団体へ分別排出マーク表示の促進などの要請を行うとともに、市町村へ訪問しての普及・啓発活動を実施しています。さらに最近では、リチウムイオン電池などの捨て方に関する動画を作成し、容リ協会ホームページに掲載し広報活動を強化しています。

「プラスチック資源循環戦略」が閣議決定

今後の課題としては、19年5月に廃プラスチック有効利用率の低さや、海洋プラスチックなどによる環境汚染の世界的課題を背景に、「プラスチック資源循環戦略」が閣議決定されました。その一環として、20年7月から小売り事業者には、プラスチック製買い物袋の有料化が義務付けられることになりました。同資源循環戦略では、「プラスチック資源について、システム全体として効率的・合理的で、持続可能な分別回収・リサイクル等を適正に推進するよう、そのあり方を検討する」と明記されています。

容器包装のみならず、一定のプラスチック製品廃棄物などを対象とした合理的かつ持続可能なリサイクルの仕組みの構築に向けての検討がなされています。容リ協会としても、その動向を注視しています。

最後に、毎年11月から大都市を中心に全国各地で実施している特定事業者向けの制度説明会・個別相談会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は開催しないこととさせていただきました。容リ協会ホームページにて容リ制度の解説サイトへのアクセスや、オンラインによる事務手続きができますので、ぜひご覧ください。

=この項おわり

(公益財団法人日本容器包装リサイクル協会・駒ヶ嶺充)

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