コロナ禍の中迎えた2021年。コラム「石垣」執筆者5人に、今年の展望や日本、そして世界の行方について聞いた。
ユーラシアから始まる世界史のうねり
宇津井 輝史/コラムニスト
地政学の祖マッキンダーはユーラシア大陸を世界島と呼んだ。歴史の大きなうねりはこの大陸から始まる。大陸の東と西の文明圏は、分裂と統合を繰り返しながら世界史を牽引した。西の塊を「欧州」、東の塊を「中華」と呼ぶ。それぞれの文明圏の沖合には西に英国、東に日本という海洋国家がある。
欧州文明圏では17世紀の三十年戦争で神聖ローマ帝国が解体し、ウェストファリア条約により国民国家というシステムが誕生した。
その後に続いた国家の対立と抗争に終止符を打ったのがEUである。だが新帝国主義時代のいま、この統合システムがほころび始めた。
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