新型コロナウイルス感染症に収束の兆しが見えていません。同感染症により、多くの事業者の経営に甚大な影響が出ています。本稿では3回シリーズで、同感染症による影響と、今、経営者が検討すべきリスクについて考えるとともに、そのリスクに備える日本商工会議所の損害保険制度について取り上げています。最終回の第3回は、従業員が同感染症に罹患(りかん)して働けなくなることによる事業者にとってのリスクと対策について考えていきます。
新型コロナウイルス感染症によって顕在化した従業員の二つの不安
新型コロナウイルス感染症の流行により多くの会社などで経営に大きな影響が出ており、その対応に苦慮している状況が続いています。
多くの働く人にとっても、勤める会社の事業への影響および自身の「感染」による「収入の減少」に不安を感じるようになっています。
会社の経営に大きな影響が出ることにより、「自分の雇用が守られるのか」という不安ももちろんですが、自身が感染してしまった場合の「医療費の支出」や「会社などを休むことによる収入への影響」への不安が顕在化してきているのです。
経営者として、自社を守る懸命な取り組みを行う中、従業員が安心して働ける環境を確保することに配慮が求められています。
従業員が安心して働ける環境を戦略的に整えること、すなわち感染防止対策の徹底と万一の罹患の際に従業員とその生活を守ることが、新型コロナウイルス感染症流行における事業運営に重要です。
不安に対して保険で備える 東京海上日動の休業補償制度「ナイスパートナー」
新型コロナウイルス感染拡大によって従業員が抱える「医療費の支出」と「収入減少」の二つの不安。これらに備える補償があります。それが日本商工会議所を契約者とする東京海上日動の休業補償制度「ナイスパートナー」です。「ナイスパートナー」は、団体割引30%が適用された保険料メリットの大きな保険制度です。
一つ目の不安である支出増(突発的に発生する支出)に対する備えとして、「医療補償」があります。これは病院に入院するなどの場合に、その入院日数に対してあらかじめ定められた金額の保険金が受け取れる補償です。(図1・2)
また、「収入減少」の不安に対する補償として、「一年休業補償」が用意されています。これは病気やけが、所定の精神障害で働けなくなった場合に、所得の減少が1年にわたり補償されるものです。(図3・4)
従業員の不安に対する企業の備え
これらの従業員の不安に対して、自己責任とせず、企業が従業員に補償を提供することは、新型コロナウイルス感染症の拡大以前より従業員の満足度を高める有効な福利厚生制度として採用が進んでいましたが、新型コロナウイルスにも対応できることから、今、改めて多くの事業者の注目を集めています。
福利厚生制度の充実は、従業員を引き付ける職場環境づくりに直結します。そして優秀な人材の確保や、会社に対するロイヤルティーの向上・継続雇用につながるといわれています。
また、「ナイスパートナー」による福利厚生制度を「従業員とその生活を大事にする、安心して働ける会社である」と採用時のアピールポイントとしている企業もあります。企業が採用している福利厚生制度にはさまざまなものがありますが、特に最近は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、従業員が万一罹患してしまった場合に「従業員を守ることができる補償を企業として準備したい」「安心して治療に専念できる環境を整えてあげたい」という企業のニーズが高まっています。
このようなニーズは労働者や求職者側からも上がっており、今後ますますこのような福利厚生制度の構築が進むと考えられます。
企業が従業員全員を補償する福利厚生制度(一年休業補償)
企業が従業員全員を対象に「一年休業補償」を制度導入するケースが増えています。「一年休業補償制度」の加入が増えている背景およびメリットは図5のとおりです。
割安な保険料水準
また、企業の加入を後押ししている要因の一つに割安な保険料が挙げられます。(図6)
保険料は年齢と本人の職種によって変わります。例えば44歳の事務職の人が働けなくなった場合、月10万円の補償で加入していると、保険料は毎月1100円、年間で1万3200円となります。従業員数20人規模の企業の年間保険料は、約30万円となります。
従業員がけがや病気で休職することへの不安を払しょくし、安心して働ける環境を整備できるという観点で捉えれば、比較的安価で効果も期待できる福利厚生制度といえます。
従業員がそれぞれ保険料を負担し、加入する「福利厚生制度」
魅力ある福利厚生制度という観点では、企業が従業員全員分の保険料を支払う方が従業員の満足度も高く、ロイヤルティー向上の観点でも望ましいのは間違いありません。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、企業としての保険料負担が難しい状況もあるかもしれません。そのような場合でも諦めることはありません。むしろ、このような環境だからこそ、雇用を守ること、従業員が安心して働ける場を提供すること、従業員の仕事と生活を守る会社づくりや制度の構築が求められています。
その手段として、従業員自身が保険料を負担する制度を整備する方法があります。この環境下での大きな団体割引が効いた保険制度の導入は、割安な負担で不安に備える選択肢を従業員に提供でき、従業員やその家族からも喜ばれ、選ばれる会社となることにつながります。企業にとって、従業員個人が加入する休業補償制度(ナイスパートナー・Web加入)導入のメリットは図7のとおりです。
大きな団体割引が適用された本制度は、一般の保険に加入するよりも、保険料負担が小さく、従業員にとっても大きなメリットがあります。
また、東京海上日動の休業補償プラン「ナイスパートナー」は、Webでの手続きが可能であるため、従業員も自宅に帰ってからなど、好きな時間に手続きできる点も好評をいただいています。そして、導入企業にとっては費用負担も、保険料の給与天引きなどの事務負担もなく、従業員から喜ばれる福利厚生制度を導入できることも、高く評価されています。
休業補償制度「ナイスパートナー」の補償ラインナップ
東京海上日動の休業補償プラン「ナイスパートナー」は、ご紹介した医療補償、一年休業補償以外に、がん補償、傷害補償、個人賠償責任補償、長期休業補償、介護補償の七つの補償が用意されており、加入者のニーズに合った補償が選べる制度となっています。(図8)
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、保険を活用した福利厚生制度の充実が改めて注目されています。このような環境下だからこそ、従業員とその生活を守り、支える福利厚生制度を検討してみることをお勧めします。
このご案内は、団体総合生活保険の概要をご紹介したものです。ご加入に当たっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。ご不明な点などがございましたら、当社営業課支社または代理店(https://map.tokiomarine-nichido.co.jp/search/office/pc/top.phpを参照)までお問い合わせください。
(2021年2月作成 20-T05627)
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