普段、私たちは無意識に呼吸をしています。本来は、鼻から息を吸う鼻呼吸が基本で、口呼吸は泳いでいるときや、運動後に大量の空気を吸う必要のあるときに行われるべき呼吸です。
ところが、空気を楽に肺に送り込むことができるため、知らず知らずのうちに口呼吸になっている人がいます。また、起きているときは鼻呼吸でも、睡眠時になると口が自然に開いたり、鼻詰まりがあったりして口呼吸になってしまうケースもあります。
鼻でも口でもいいじゃないかと思うかもしれません。しかし、口呼吸には、呼吸器の感染症リスクが高まる、声がかれやすい、口唇や口腔(こうくう)内の乾燥、虫歯や歯周病、口臭、いびきや睡眠時無呼吸症候群の誘因になるなど、さまざまなデメリットがあります。特に睡眠時無呼吸症候群は、慢性疲労、高血圧、糖尿病などを招く恐れがあるほか、浅い呼吸のせいで不安やイライラを感じやすくなったり、口の周りの筋力が低下して口角が下がり、老けた印象になるなど、およそいいことがありません。
そこで口呼吸を改善するには、意識して口を閉じることがポイントです。睡眠中は、口唇の上下を留めるテープが市販されているので、それを使用して口呼吸ができないようにするといいでしょう。鼻の病気や鼻詰まりがある場合は、耳鼻科で相談し、必要に応じて治療を行ってください。
また、新型コロナ感染予防での長時間のマスク着用も、息苦しさから口呼吸になりやすい要因といえます。そこで周囲に人がいないときを見計らって、1時間に1度はマスクを外すようにしましょう。マスクにアロマオイルを少量たらすと、鼻呼吸を意識しやすいのでお薦めです。
マスクをしていると、小まめな水分補給を怠りがちになるので、口の中が不快ならうがいをしたり、飲み物を取るようにすると、口腔内の乾燥予防になります。
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