経済産業省、厚生労働省、文部科学省が共同で取りまとめた「2021年版ものづくり白書(令和2年度ものづくり基盤技術の振興施策)」が5月28日に閣議決定された。白書では「レジリエンス」(サプライチェーン強靭(きょうじん)化)、「グリーン」(カーボンニュートラル)、「デジタル」の三つの観点から官民の最新動向を分析。わが国ものづくり産業が直面する課題や人材の確保・育成など、今後のニューノーマル時代の生き残りに向けた対応の方向性について報告している。
白書の第1章では、過去の取り組みを検証するとともに日本の製造業が生き残るための課題をレジリエンス、グリーン、デジタルを主軸に分析した。
「レジリエンス」における課題は、新型コロナウイルス感染症が世界全体に予測不可能な被害をもたらしたことから(図1)、サプライチェーン全体を可視化した上での準備や残されたリソースで事業継続を図るための想定を着実に進める必要性を指摘。具体的には「グリーン」「デジタル」分野で競争力の鍵を握る半導体や蓄電池、川上のマテリアルに関するサプライチェーンの構築・強靭化、経済安全保障を巡る国際動向をリスクの一つとして把握することなどの対応を求めている。
最新号を紙面で読める!