長洲(ながす)漁港は国東半島の西側、豊前海に面した穏やかな漁港で、昔から赤エビ漁が盛んに行われてきた。漁港は毎日エビで赤く染まり、多い時は〝エビ舎〟と呼ばれる干しエビ加工業者が10社以上あったが、現在は3社に減少。その一つ「上野水産」が守り続ける伝統の味が「勝ちえび」だ。
パッケージに描かれた鳥居は、地元宇佐市に鎮座する八幡総本宮・宇佐神宮をイメージしたもの。〝開運〟の文字がどこか神々しい。
勝ちえびとは、取れたての赤エビを水洗いし、塩だけ加えて釡ゆでした後に乾燥させ殻を取った干しむきエビ。昔は干しエビの殻を外す時にたたき棒を使用し、カチカチと音がすることから「かちえび」と言われるようになった。勝負ごとなどの〝勝ち〟に例えて商品名も勝ちえびに。縁起物として、名物土産として、多くの人に愛されてきた。
味付けは塩のみ。そのまま食べても戻してサラダにしてもうまい。しっかり干してあるため、うま味が増し、かめばかむほど自然のエビの味が口の中に広がっていく。また、よくだしが出るので、吸い物や雑炊にすればワンランクアップした一わんになる。人口着色料、人工甘味料、人工保存料など一切不使用。優しい食品だ。
Data
社名:有限会社上野水産(うえのすいさん)
所在地:大分県宇佐市大字長洲4287
電話:0978-38-0011
FAX:0978-38-0734
HP:http://www.uenosuisan.co.jp/
【宇佐商工会議所】
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