日本商工会議所、日本経済団体連合会、経済同友会の経済3団体は6日、西村康稔経済再生担当大臣とオンライン会議を開催し、新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、意見交換を行った。西村大臣は、出勤者の7割削減、夏休みの帰省や旅行の自粛などを要請。日商の石田徹専務理事は、困窮事業者への支援継続を求めるとともに、1日も早いワクチンの安定供給や職域接種の承認を強く要望した。
会議の冒頭、西村経済再生相は、8月8日からのまん延防止等重点措置区域の拡大などを含めた現在のデルタ株による感染拡大の状況や政府の対応策などについて説明。政府としては、感染拡大への強い危機感の下、ワクチン接種の促進、医療提供体制の拡充、検査の拡充に全力で取り組む考えを改めて表明した。 その上で、日商など経済3団体に対し、「テレワークや分散休暇などによる出勤者の7割削減」「職場における感染防止対策の強化・徹底」などの継続を要請。抗原簡易検査キットや健康観察アプリの活用も呼び掛けた。
また、感染が急拡大していることから、「夏休みやお盆の時期における帰省や旅行を極力控えてほしい」と呼び掛け、企業などの出張についても同様に可能な限り控えることを求めた。
日商の石田専務は、新規感染者の急激な増加に対する強い危機感を表明。職場における感染防止対策の徹底、抗原簡易検査キットの活用なども会員中小企業に呼び掛ける考えを示した。
また、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域拡大と長期化により、困窮する飲食、宿泊、交通、イベント事業者などの経営状況が厳しさを増している状況を指摘。「売り上げが見通せない中、借り入れによる過剰債務に陥っている企業もあり、困窮する事業者への支援の継続と迅速な執行をお願いしたい」と政府の支援を改めて求めた。 万全の感染対策を行っている飲食店などへの対応として、第三者認証制度の推進と、営業時間などの制約緩和を要請。「ワクチンパスポート、陰性証明書などの国内利用をさらに進めるべき」との考えを示すとともに、「科学的な分析に基づき、国民、事業者が将来に希望の持てるロードマップを早急に示してほしい」と訴えた。
さらに、緊急事態宣言の判断の目安となるステージ基準について、「ワクチン効果を踏まえ、見直す時期にきている」と指摘。「新基準と新たな感染対策の効果的な実施により、緊急事態宣言を早期に解除できるよう、感染拡大を戦略的に抑え込んでほしい」と述べた。
職域接種については、100を超える商工会議所がワクチン不足のため、接種開始が遅れていることから、「1日も早いワクチンの安定供給と承認をお願いしたい」と政府の対応を強く求めた。
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