近畿ディスカバー農山漁村の宝に選定
田辺商工会議所はこのほど、同所が支援する地域の地産地消活動「熊野米プロジェクト」が、農山漁村活性化の優良事例として近畿農政局「近畿ディスカバー農山漁村(むら)の宝(第2回)」に選定されたと発表した。同プロジェクトは、熊野と呼ばれる田辺市や周辺地域で生産するコメ「熊野米」で郷土料理をつくって食べようという取り組み。精米販売の老舗、株式会社たがみや地元の生産者らが中心となって推進し、2010年に国の農商工連携事業の認定を受けている。
熊野米は、「ヒカリ新世紀」という新品種のコメを梅の調味液を使って雑草の生育を抑え減農薬で栽培した、梅の産地・紀南地域ならではのコメ。もちもちとした食感と甘みが特徴だ。これを使った商品として、これまでに米粉のパン「熊野米パン」や「甘酒」などが開発されている。熊野米パンは、災害時の非常食になる缶入りの米パン。甘みのある芳醇(ほうじゅん)な味わいで長期保存が可能だ。甘酒は、たがみが和歌山大学と共同開発したもの。地域の醸造会社の協力を得て製造し、商品パッケージは学生とデザインを考えた。
昨年12月11日には京都市内の近畿農政局で選定証授与式が行われ、プロジェクトの主催者である事業者らと同所経営指導員が式典に出席。同所は、「この受賞を機に、同プロジェクトのさらなる発展を支援していく」と話している。
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