漬物好きでは人後に落ちないが、とりわけ「仙台長なす」には目がない。食欲をそそるあでやかな紫紺色、きしむような歯ごたえ、水分を含みながらもしまった果肉。ほどよい塩気と食感の長なすは食べ始めたらやめられない止まらない。ご飯のおかず、酒のつまみ、そして弁当に長なすが2本ぐらい入っていたら、跳び上がって喜んでしまうほど大好きだ。
「岡田の仙台長なす漬」は市民によく知られる長なす漬の大本命。1946年に岡田商店として創業し、59年に長なす漬が完成して以来63年、品質にこだわりながら真摯(しんし)に長なす漬をつくっている。
こだわりの一つは、在来種から育てた仙台長なすを使っていること。外国産野菜や交配を繰り返す新野菜が市場に出回る中、在来種の野菜は貴重だ。同社では長さ8~11㎝、太い部分の直径が1・2~2㎝で形が良く、全体がムラなく紫紺色の長なすを基準としている。下漬け、本漬け、塩抜き、プレスをして調味漬け(味付け)。選別は人の目で行っている。文禄2年に仙台藩が博多から持ち帰った長なすの種が、430年の時を経て仙台で根付き、長なす漬を生み出した。これからも愛される仙台長なす漬でいることだろう。
Data
社名 : 岡田食品工業(おかだしょくひんこうぎょう)
所在地 : 宮城県仙台市若林区卸町1-4-9
電話 : 022-284-0131
HP : https://www.sendai-naganasu.com/
【仙台商工会議所】
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