ダウンスイングで体が伸び上がってしまうと、エネルギーが上に逃げてしまい、いくら力を入れてもボールは飛びません。それなら意識的に力を入れて、体を沈み込ませたらどうでしょう。ただ、それではダフってしまいます。もしくは、ダフるのを嫌がって体を開いたり、左ひじが抜けたりしてスライスになるだけです。意識的にではなく、自然に沈み込むようにすることが大切なのです。余計な力は必要ありません。
「自然に」というのがいちばん難しいのですが、まずは自然なスイングを見てみましょう。バックスイングでは、右の股関節を入れる動きで右の股関節に上体を乗せます。そしてダウンからフォローにかけては、左の股関節を入れて左の股関節に上体を乗せるのです。この上体を右から左の股関節に移す瞬間、上体は股関節から外れるために重力によって重心が少し落ちます。これがダウン動作での沈み込み動作です。この動きができると、重力の力を使えるので、大きなエネルギーをボールに伝えることができるというわけです。
そのためには、まず立ち方が大切になってきます。イラストを参考にして正しい立ち方を身につけてください。スクワットを練習に取り入れると(イラスト(2))、股関節が入る感覚、股関節に上体を乗せる感覚がつかみやすくなります。
良い構えと股関節を入れる感覚が分かったら、20秒かけて1回スイングします。このときもバックスイングでは右股関節に、ダウンからフォローでは左股関節に入れる動きを意識してください。するとダウンで一瞬体が沈む感覚がつかめるはずです。また、同じように短いアイアンで練習すれば、自然に沈み込み動作ができるようになって、重力のエネルギーを利用でき飛距離も伸びるはずです。
イラストレーション:アカハナドラゴン
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