北大阪商工会議所が事務局を務める枚方(ひらかた)・交野(かたの)天の川ツーリズム推進協議会は9月6日、天野川流域に自生するセイタカヨシを粉末状に加工した「天野川セイタカヨシ」を使った食品の試食会を枚方市内で開催した。試作品は、「鮎豆寿司」やそば、ギョーザ、パン類、おはぎ、クッキーなどバラエティーに富んだ21品。訪れた報道関係者らも参加し、同協議会委員と共にこれらの試作品を一つ一つ吟味した。
セイタカヨシは、枚方市・交野市の観光資源でもある天野川流域に自生する冬でも枯れない南方系ヨシ。食用として活用する例は見られないそうだが、他地域では類似のヨシを紙やうどんに加工した例があることから、同協議会はセイタカヨシを加工食品として活用できないかと昨年約1年かけて調査した。
その結果、天野川流域のセイタカヨシには鉄分やビタミンC、葉酸などの栄養素が含まれることや、粉末状に加工すれば食品に活用できることなどが分かり、特産品としての活用を決定。この粉末を「天野川セイタカヨシ」と名付け、商品開発を行う事業者を募った。これに地元の菓子店、飲食店など13社が参加し、試行錯誤の末に試作品を完成、今回の試食会に至った。
試食会は好評で、中には販売可能なレベルの試作品もあり、セイタカヨシ活用の可能性に期待が高まったという。実際、試作品のうち和食ダイニングあご屋のそばは10月からメニュー化、マカロン(ゴリール)、アメ(アトリエMay)など販売開始されたものも出てきた。不定期で販売するという店もあり、商品化は広がりそうだ。
同協議会は、枚方・交野の地域資源を生かした地域活性化を目的に2016年に産官学連携で設立。天野川沿いの七夕や星にちなんだ名所を活用して地域ブランドの発信・定着を図っており、同加工食品の普及にも意欲的だ。
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