ガラスのような、水晶のような、はかない丸い玉。触れたら粉々に壊れるか、それとも溶けて水になるか。ようじで恐る恐るつついてみると、あら、案外しっかりした触感。しかし、ようかんほどに硬くはない。大きさはゴルフボールより一回り小さく、幼児の手のひらにすっぽり収まる感じ。これはゼリーか透明な粘土か。正体が「飴(あめ)」と知ってビックリ。その名も「瑠璃飴」。なんてきれいな名前なんだろう。
粟(あわ)飴に砂糖と寒天を加え、ゴムに流し込んでつくられる飴が瑠璃飴。粟飴とは、新潟県産のもち米と国産麦芽でつくる水飴で、もともとはもち米ではなく粟を原料につくられていたので、この名がある。1790(寛政2)年に、「髙橋孫左衛門商店」の四代目が原料をもち米に変え、以来、水飴は淡黄色透明になったという。その昔の水飴は濁っていたのだろう。
瑠璃飴はプレーンとイチゴの2種類があり、口どけのよい甘さ。いつまでも舌の上に残るしつこい甘みはなく、あっさりさっぱり。この味わいこそ上等な和菓子の真骨頂だ。そのまま食べても、お茶やコーヒーとも相性が良く、知人はカルバドスと合わせ楽しんでいる。凍らせてもシャリっとうまいので、こたつの中で冷たい飴をひとかじり。やめられません。
Data
社名 : 株式会社髙橋孫左衛門商店(たかはしまござえもんしょうてん)
所在地 : 新潟県上越市南本町3-7-2
HP : http://www.etigo-ameya.co.jp/
電話 : 025-524-1188
【上越商工会議所】
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