日本容器包装リサイクル協会では、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装のリサイクルを行っています。今回は、近年注目が高まっているPETボトルのリサイクルに焦点を当てて解説します。
水平リサイクルの割合が高い
PETボトルが何にリサイクルされるか、皆さんはご存じでしょうか。PETボトルからリサイクルされる製品は、大きくはボトル、シート、繊維に分かれます。ボトルはPETボトル、シートは食品用トレイや卵パックなど、繊維は自動車の内装材やカーペットなどに生まれ変わるのです。
使用済みの製品を原料として使用し、同じ製品を新たにつくることを「水平リサイクル」といいます。使用済みのPETボトルで再びPETボトルをつくることを「ボトル to ボトル」と呼び、これも水平リサイクルに該当します。
当協会で引き取ったPETボトルのリサイクル用途の推移は下の図の通りです。直近の2023(令和5)年度では、割合が高い順にボトル、シート、繊維となります。近年は水平リサイクル(ボトル to ボトル)の割合が高くなっており、ボトルに利用される比率は23年度に50%を超えました。
リサイクル率87% 回収率は94%にも
日本のPETボトルのリサイクル率は、世界最高水準であるといわれており、リサイクル率を比較すると、日本は87%、欧州は43%、米国は18%となります(※1)。PETボトルの回収率は、日本は94%、欧州は57%、米国は27%であり、リサイクル率と同じく日本が高くなっています(※2)。
日本のリサイクル率が他国と比較して高い理由ですが、容器包装リサイクル制度(容リ制度)によって分別回収し、リサイクルする流れが定着していることが考えられます。消費者の皆さんが、ルールに従い分別を行っていることも大きな要因といえます。
また、リサイクルに適した設計ガイドラインにのっとりPETボトルが製造されていることも一因です。このガイドラインは、PETボトルを利用、製造する業界団体により策定されており、事業者も一体となって取り組んだ成果であるといえるでしょう。
皆さんの適切な分別排出などへのご協力のおかげで、高いリサイクル率を保つことができています。これからも引き続き分別排出などへのご協力をよろしくお願いいたします。
(※1、2 PETボトルリサイクル推進協議会ホームページ出典)
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会▶https://www.jcpra.or.jp/
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