元女子プロテニス選手の伊達公子さんのコーチをしていたことでも知られる小浦猛志さんとは、過去に3回対談したことがあり、毎回興味深い話を聞かせていただきました。中でも役立ったのは、人にはインプットとアウトプットのやり方が4パターンあるという話です。
一般的にインプットとアウトプットは脳全体を使うのではなく、右脳と左脳のどちらかを使うといわれています。インプット、アウトプットそれぞれに右脳派と左脳派があるので、4通りに分けることができるという訳です。
右脳はひらめきやイメージ処理をつかさどっているので、右脳派は感覚的、直感的な能力、記憶力に優れているといわれています。一方、左脳は言語や計算機能をつかさどっているので、左脳派は分析的で論理性に優れ、物事を意識的、段階的に受け入れ、理性的に処理すると考えられています。また、右脳派はアウトプット時、積極的に自分が思う通りに発信しますが、左脳派は物事を筋道立てて説明するといった特徴があります。
自分はどのパターンなのか、興味が湧きますよね。では、私が教わった簡単な見分け方を紹介しましょう。
何も考えず、手を自然に動かして二つの動作をしてください。まず、両手の指を組んでください。右手の親指が下の人は右脳入力、左手の親指が下の人は左脳入力。次に腕を組んでください。右腕が下に来ると右脳出力、左腕が下に来ると左脳出力なのだそうです。
指導する立場の人間は自分の出力がどちらかは関係なく、相手が理解しやすいように出力する必要があります。日々の言動によって相手の傾向を観察し、左脳入力の人に対しては、まず理論で理解させる、右脳入力の人には、擬態語を用いて「ラケットをバーンと思い切り振る」といった感覚的な指導をしてから理論を教える、という具合です。それを知って以来、相手の脳に届きやすい話を心掛け、相手の入力は右脳なのか左脳なのかを意識するようになりました。
船井総研の創業者、私の師である舩井幸雄氏は、右脳出力の最たる者でした。講演直後、参加者は大感動しているのですが、「時間がたつと何を聞いたのか分からなくなる」というファンの声がありました。ある時、講演の直後、私が舩井氏の講演を解説するという企画をやってみたところ評判が良く、解説講座は何年間も続きました。
人のインプットアウトプットには個性があります。自分の言うことが伝わらないと感じる場合は、アウトプットの方式を変えてみるのはいかがでしょう。言葉は道具です。テクニックとして、右脳派、左脳派を意識なさってみてください。
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