飯能商工会議所(埼玉県)の会館がこのほど、一般社団法人日本CLT協会の実施する表彰で「CLT OF THE YEAR―PIONEER―」と「隈研吾特別賞」をダブル受賞した。CLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)は、断熱性や遮音性など複合的な効果が期待されており、近年建築の構造材などでの活用が増えている木質系材料。今回の表彰はCLTの可能性を切り開く先駆的な建築物をたたえ、その成果を広く社会に発信することを目的としている。
2020年竣工の会館は、埼玉県の有料木材である西川材を活用したCLT工法と在来工法のハイブリッドで建設されている。同所は西川材をPRするため設計事務所と共に表彰に応募。「平行弦トラスにCLTを使用し、斜材同士を嵌合させた構造が、シンプルながらも意匠性と機能性を兼ね備えている」「CLTの新たな可能性を感じさせる軽やかで洗練された空間を実現している」「地域と建築が一体」といった点が評価された。
同所担当者は「会館はモデルルームでもあるため、多くの人に見て触れてもらい、西川材のすばらしさを体感してほしい。今後も会館建設のコンセプトである『西川材振興』を目指し、全国に発信していきたい。また、全国の商工会議所の会館建て替えなどのモデルとして参考になればうれしい」と述べた。
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