うまい名物があまたある山形で、一番好きな甘味はふうき豆。青エンドウの豆を蒸かして皮を取り、砂糖で炊いたほろほろした食感の豆菓子で、夏は冷茶と、冬はホットワインとともにつまんでは食べている。若草のような独特の匂いが癖になるふうき豆は、縁起をかついで「富貴豆」の字を使うことも多い。めでたいので土産にも喜ばれている。
ふうき豆を薄皮で包んだのが「豌豆(えどまめ)まんじゅう」。やわらかい白い皮の間に見え隠れするもえぎ色が美しい。皮が餡(あん)をふわりと包んでいるので、まるで口の中で雪解けが起きているよう。甘さはあっさりして、1個50gの大きさも子どもから高齢者まで食べやすい。保存料を使用しておらず、冷蔵で製造日から7日間の賞味期限だ。
製造元の「白山堂芳賀」は、1970(昭和45) 年に長井市で創業。技は一子相伝、原材料にもこだわり、長井の“ホンモノ”の菓子匠としての誇りを保っている。
長井市を通る山形鉄道フラワー長井線は、沿線に花の名所が多いことから名付けられた。美しい季節の花をかたどった生菓子も人気で、茶席で話題になることも。豌豆まんじゅうと合わせて楽しみたい。
Data
社名 : 白山堂芳賀(はくさんどうはが)
所在地 : 山形県長井市館町南12-30
HP : https://hakusando-haga.studio.site/
電話 : 0238-88-4170
【長井商工会議所】