日本政策金融公庫(日本公庫)は1月27日、「第15回取引先海外現地法人の業況調査報告」を公開した。同調査報告によると、海外現地法人について前期決算期に売上高が前々期と比べ「増加」した企業割合は39.7%(前回調査36.4%)。最終損益が「改善」した企業割合は41.2%(同36.8%)と前回調査から上昇した。一方、直面する課題は、「賃金の上昇」が38.8%と最も高くなっている。
同調査は、2025年9月に日本公庫中小企業事業の取引先海外現地法人4089社を対象に行ったもので、919社から回答を得た。
調査報告によると、売上高・損益面では、前々期と比較した前期決算期について、売上高が「増加」と回答した企業割合は39.7%(前回=24年7月調査36.4%)、最終損益が「改善」と回答した企業割合は41.2%(同36.8%)と前回調査から上昇した。
直近決算期における売り上げ・最終損益DIの推移を見ると、今回調査では売上DI(売り上げが「増加」した企業割合から「減少」した企業割合を差し引いた値)が3.4、損益DI(最終損益が「改善」した企業割合から「悪化」した企業割合を差し引いた値)が9.8となり、共に前回から改善している。
現在直面している課題は「賃金の上昇」が38.8%と最も高く、次いで「販売数量の減少」(29.5%)、「販売先の減少・確保」(29.5%)となった。国別に見ると、中国は「販売数量の減少」(33.0%)、タイは「販売先の減少・確保」(40.9%)、ベトナムは「賃金の上昇」(52.4%)の回答割合がそれぞれ最も高い。また、ベトナムは「従業員の確保」「従業員の教育」の回答割合も高くなっている。賃金の上昇への対応策は「販売価格への転嫁」が53.4%と最も高い。
影響を受けていると感じる社会情勢の変化として、全体では「米国関税措置」の回答割合が41.5%と最も高い。一方「ロシアのウクライナ侵攻」「新型コロナウイルス感染症」「脱炭素化などの環境規制の強化」の回答割合は前回に比べ低下した。
今後3年程度において事業を「拡大」すると回答した企業割合は、全体では30.3%と前回から0.3ポイント低下。国・地域別では「拡大」の回答割合が最も高かったのはベトナム(53.3%)で前回(46.3%)より増加した。
今後の事業展開における有望国・地域としては、ベトナム(28.0%)が1位。次いで、インド(20.6%)、インドネシア(8.4%)となった。ベトナムを有望国・地域として選択した理由の上位は「現地市場の将来性が高い」「労働力が豊富」「既存取引先が既に進出」となっている。
