日本商工会議所は4月16日、意見書「成長型経済の実現に向けた中小企業政策に関する意見」を取りまとめた。中東情勢を受けたエネルギーや原材料価格高騰などへの万全な対応や、中小企業の「稼ぐ力」の強化などを柱に据えている。同20日には、日商の立野純三中小企業委員長が中小企業庁の山下隆一長官を訪ね、意見書を手交。立野委員長は内容の実現を強く求めた。これに対し山下長官は「商工会議所と向いているベクトルは同じであることを改めて認識した。引き続き協力していきたい」と述べた。
意見書では「成長型経済への転換を実現していくためには、絶えず『変革』に挑み続け、新たな価値を共に生み出し、共に栄える『価値共創』の考え方の下、官民が連携し、あらゆる取り組みを推進していくことが重要」と指摘。民間の挑戦を後押しする施策や支援の強化・拡充、ビジネス環境整備の必要性を訴えた。
緊急の課題であるエネルギー・原材料の安定供給確保に向けては、外交・備蓄政策の強化を要望。供給不安が懸念される中、中小企業の資金繰りに支障を来さないよう、金融面での機動的な支援も求めた。
また、「変革」と「価値共創」による成長型経済実現に向けた視点として①中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」の強化②物価高や構造的な人手不足などに対応するビジネス環境整備③地域の「稼ぐ力」の向上による地域経済の好循環の推進――の3点を提示した。
①では、新事業展開や知財活用による付加価値の拡大に加え、DX・キャッシュレス導入による生産性向上、海外展開・輸出拡大による外需獲得への強力な支援を要請。小規模事業者に対する経営支援体制の強化なども要望した。
②では、円滑な価格転嫁や取引適正化の推進、商習慣の定着に向けた環境整備を主張。深刻な人手不足に対し、多様な人材の活躍推進や労使の実態を踏まえた変形労働時間制の要件の緩和をはじめとした「働き方改革」の見直しなどを訴えた。
③では、事業承継税制の特例措置恒久化やM&A支援を通じ、地域経済に貢献する企業と価値ある事業を次世代へつなぐとともに、地域に新たな投資を呼び込む産業基盤の整備促進などを求めた。
