日本商工会議所の小林健会頭は4月14日、各地商工会議所の経営指導員との意見交換会を開催した。会合には小林会頭のほか、6人の経営指導員が出席した。
経営指導員からは、会員企業との信頼関係の重要性、地方における人手不足と賃金引き上げ、価格転嫁の現状、能登復興における応援出張と支援の在り方など、経営支援の現場が直面する課題と現状について報告があった。
意見交換では、「信頼関係の構築には、顔を合わせる機会を増やすことが重要。経営相談業務を通じ、会員企業の『話を聞いてほしい』という思いに気付いた。巡回指導など顔を合わせる機会を増やし、会員企業との信頼関係を築くことで、新規会員紹介や退会慰留につながる」「災害時に備え、会員のメールアドレス取得が重要と痛感した。災害が発生した際、会員の被害状 況を電話と訪問で調査したため、時間を要した。平時からメールアドレスを取得しておくことが重要」「経営は仕組みで回るが、事業承継は感情に左右される。業績改善には成功した一方で、後継者の退職を招く失敗を経験した。後継者の本意を見極めることが重要であると実感した」「製造業の海外展開支援において、PRや売り込み、商談先の招聘(しょうへい)で支援者としてのスキル不足を痛感。事業者と本気で協働し信頼関係を築き、具体的な成果を目指して、深く向き合う支援が必要」「被災地での支援を通じ、事業者は補助金申請などの支援だけでなく、不安を聞いて共感してもらうことも期待していると実感。どな状況でも傾聴と対話が重要であり、平時から事業者と関係性を築くことが不可欠」「支援先を専門家へ『橋渡し』するだけでは事業者の行動まで結び付かないケースもある。経営指導員は専門家を束ね、現場で腕を振るう『伴走支援の棟梁(とうりう)』となり、事業者の行動変容を促すことが必要」などの声があがった。
意見交換会は、経営支援の最前線で中小企業などの伴走支援をしている経営指導員から直接、現場の生の声を聞きたいとの小林会頭の発案により2023年12月に初回が開催された。今後も適宜開催し、現場の声を丁寧にくみ上げ、経営指導員の伴走支援力向上の取り組みを強化するとともに、国や自治体に対し、現場の声を代弁して、効果的な 政策要望や経営支援の重要性を働きかけていく方針だ。
