京都商工会議所はこのほど、携帯電話の位置情報を活用した国内観光客の人流分析結果を発表した。外国人観光客の増加が続く中でも、国内観光客の「京都離れ」は限定的で、2025年春以降は回復傾向にあることが明らかとなった。
国内観光客は24年にかけて減少し、首都圏からの来訪者では前年同月比で2割程度落ち込む時期も見られたが、25年5月頃からは増加に転じた。一方、近畿圏からの来訪者については、減少幅は最大でも1割未満にとどまり、首都圏ほどの大きな落ち込みは見られなかった。
今回の分析では、来訪者数の動向に加え、観光行動の変化も確認された。嵐山や伏見稲荷など従来の主要観光地では来訪者がやや減少する一方、京都駅周辺の利用は増加しており、主要エリア以外への来訪や周遊の広がりが示唆された。混雑する時期や時間帯を避けた来訪など、観光需要の分散化の兆しも見られる。
調査は、国内観光客の行動実態を把握し、観光施策に生かすことを目的に実施。首都圏および近畿在住者を対象に、京都駅周辺や主要観光地12地点の人流を分析した。ソフトバンクの基地局データに基づく位置情報を活用し、長崎大学と連携して25年から取り組んでいる。
同所では、観光分散化や混雑緩和に資する周遊ルートの提案、交通課題の整理などに本調査結果を活用する方針。堀場厚会頭は「国内観光客の動向を時期や時間帯別に把握できた。今後も分析を継続し、施策につなげていきたい」と述べた。
