加賀花てまりの会(石川県金沢市)
今月は、鮮やかな色使いが際立つ愛らしい郷土玩具、加賀手まりをご紹介します。
江戸時代、加賀藩の城下町であった金沢は北陸地方最大の都市として繁栄し、その石高から「加賀百万石」と称されました。文化的にも豊かな発展を遂げ、さまざまな伝統工芸がその技を極めていく中で、加賀手まりも二代将軍・徳川秀忠の娘・珠姫(たまひめ)が前田家に輿入(こしい)れした際に持参した手まりをもとに生まれたとされています。御殿女中から始まった手まりづくりは、やがて城下町に広がり、母親がつくった手まりを嫁ぐ娘に魔よけとして持たせるという風習が根付いていきました。花を連想させる美しい幾何学模様は、糸を巻いて固めた綿の球に五彩の糸を掛けて描きだされており、その由来や模様から『姫てまり』『花てまり』とも呼ばれています。
近年では海外からの観光客が土産として買い求めることも多く、手まりづくりの技を応用した指ぬきも同様に人気があります。
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金沢・クラフト広坂
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※月刊石垣2019年4月号に掲載された記事です
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