私が生まれ育った島原市は長崎県の南東部にある島原半島の東端に位置する温暖な気候のまちです。このまちは平成2年からの雲仙普賢岳の噴火など、全国的にも希な経験をしています。歴史的に見ても、島原の乱をはじめとするキリシタンにまつわる多くの珍しい出来事があった地域です。また、豊かな自然があり、雲仙天草国立公園を背景に素晴らしい景観と良質な温泉に恵まれています。これに加えて、きよらかな湧水群など、文化的遺産も数多く残されています。島原は「水の郷」であり、その水は「名水百選」にも選定されています。
平成2年に198年ぶりに噴火した雲仙普賢岳の溶岩ドームは平成8年に「平成新山」と命名され、今なお自然の脅威を知らしめています。その節は全国の商工会議所の皆さま方からは大変なご支援をいただきました。誌面をもってお礼を申しあげます。21年には「人と火山が共生するまち」として、島原半島ジオパークは、国内初の「世界ジオパーク」の認定を受けました。美しい自然景観や学術的価値を持つ地層を使って、その土地や地球の成り立ちを楽しく、正しく知ることができる自然公園として位置付けられています。
当社は明治30(1897)年に創業しました。曽祖父の代から酒造業を営んでいました。しかし、昭和58年に保証の問題で全てを失ってしまいました。その後、34歳のときにゼロから再出発。現在では、島原市内でスーパーマーケット3店を展開しています。どの地域でも同じですが、大手資本の出店が相次ぎ、地元資本が疲弊する中、地元の灯を消さないように努力しています。大手資本にできない店づくりを目指して頑張っています。
平成34年に長崎新幹線が開業します。島原半島唯一の鉄道である島原鉄道が新幹線の停車駅である諫早駅に接続しています。諫早駅から島原半島へ人を呼び込むための観光列車などの導入を当所も先頭に立って研究調査していきたいと思います。
また、長崎自動車道につながる島原高規格道路の早期開通を一番の重点目標として掲げています。新幹線開通までにはめどをつけ、ダブル効果で島原半島への交流人口の増加を期待しています。島原市でも少子高齢化、人口減少が一番大きな問題です。当所としても地元島原を若者が残りたいまち、残れるまちにしていくべく力を尽くしていきたいと思います。
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