日商 Assist Biz

更新

コラム石垣 2020年6月21日号 中村恒夫

「新型コロナウイルス感染拡大の影響が経営を直撃した」と九州の有力中堅企業R社の取締役は嘆く。本業のサービス業だけでなく、柱に育ててきたイベント事業が軒並み中止になり、収入が急激にダウン。地元では高水準で知られていた一時金も大幅削減することで労働組合も同意した。

▼「選択と集中」という経営戦略は、コストの削減、投資の効率化の面では確かに効果がある。しかし、集中した事業自体に先行きが見えなくなったとき、経営そのものが危うくなってしまう。そんな危険に直面した企業トップも少なくないだろう。

▼R社も本業の先細りが見える中、イベント事業を拡大すると同時に、経費圧縮を目指し競争企業と共同で部材の調達を模索していた。一連の経営努力もコロナウイルスによって台無しにされてしまった。先の取締役は「基本に立ち返り、本業をてこ入れしたいのだが、うまくいかない」と話してくれた。理由は簡単だ。事業ごとの採算性を重視する過程でスタッフも専門化させた結果、異動させにくくなったのである。

この記事は無料会員限定の記事です。

無料会員登録をすると続きを読めます。

無料会員の方はログイン

次の記事

コラム石垣 2020年7月1日号 中山文麿 無料会員限定

政治経済社会研究所代表 中山文麿

日本を襲った新型コロナウイルスの死者数は欧米と比較してはるかに少ない。しかし、この現象は東アジアの国々に共通したことで、人口10万人当たり...

前の記事

コラム石垣 2020年6月11日号 丁野朗 無料会員限定

東洋大学大学院国際観光学部客員教授 丁野朗

観光は、世界中の人々の交流と絆、移動を前提とした平和産業のシンボルである。今回の世界的コロナ感染の拡大は、その前提を大きく覆してしまった...

関連記事

コラム石垣 2021年7月1日号 神田玲子

NIRA総合研究開発機構理事 神田玲子

新型コロナウイルス感染症との闘いを通して、各国が団結して行動する機運が生まれている。そう考える理由の一つが、グローバルな法人税制ルールの...

コラム石垣 2021年6月21日号 中山文麿

政治経済社会研究所代表 中山文麿

新型コロナウイルスの変異株が世界的に猛威を奮っている。イギリス変異株は従来株と比べ1・5倍感染力が強く、インド株はさらにそれの1・5倍も強い。...

コラム石垣 2021年6月11日号 中村恒夫

時事総合研究所客員研究員 中村恒夫

1カ月平均の超過勤務80時間とされる「過労死ライン」。これをさらに引き下げるべきだとの声が、長時間労働で家族を亡くした遺族らから上がっている...