鯖江商工会議所(福井県)は6月22日、福井県眼鏡協会や慶應義塾大学大学院、鯖江市などと連携し、「めがね産地『0↓1(ゼロ・トゥ・ワン)』プロジェクト」を立ち上げたと発表した。地域の基幹産業である眼鏡製造業の底上げを目的としたもので、国内外のクリエーティブ産業をけん引してきたデザイナー・黒崎輝男氏を総合プロデューサーに迎え、「デザインシンキング」の考え方を取り入れた商品開発に取り組む。
鯖江市は眼鏡フレームの一大生産地として知られているが、多くは有名ブランドの製造を請け負うOEM(相手先ブランド名製造)だ。同プロジェクトは、鯖江独自の眼鏡を開発し、産地の魅力を直接消費者に向けて発信することで、ファンをつくり、産業の活性化を図ろうというもの。市内の眼鏡会社30社以上が参加し、消費者に響く商品開発に挑む。
商品開発においては、消費者視点でモノやサービスを考えるデザインシンキングの考え方を取り入れ、「設計」および「意匠」に重点を置く。「設計」に重点を置く商品開発は、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科がサポート。参加企業はセミナーやワークショップを通して消費者ニーズの取得方法から分析・活用、ストーリーテリングなどを学び、その後個別面談により課題を解決しながら商品づくりを行っていく。
参加企業の中から数社はさらに同所経営指導員も交えた伴走型の支援を行い商品のブラッシュアップを図る。
一方、「意匠」を重点とする商品開発は、黒崎氏のネットワークを生かし、国内外のデザイナーと参加企業との協業によって行われる。
11月30日~12月2日には東京・青山で展示販売会を実施し、開発商品を消費者にアピールする予定だ。「鯖江がかっこいいと思われるようなムーブメントを起こしたい」(黒崎氏)との言葉の下、産学官が連携し、プロジェクトの成功を目指す。
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