気仙沼商工会議所(宮城県)は、気仙沼市、気仙沼信用金庫と共に気仙沼まち大学運営協議会を設立し、まちづくりを担う人材の育成を目指す「気仙沼まち大学」事業を推進している。「まち大学」とは、まち全体を大学のように、学びや議論の場にしたいとの思いで名付けられたもの。
同市は東日本大震災による人口減少、基幹産業である漁業の衰退などから、まちの活力を取り戻すことが課題だが、震災以降、市民と市外から転入したボランティア、NPOなどアイデアと行動力を持つ〝よそ者〟との連携により水産業から観光まで多様な新事業が生まれつつある。同協議会はこうした流れを加速し、個々の活動を結び付けてより活性化させる仕組みをつくろうと2016年に発足。事務局には移住者やNPO団体職員らも集まり、ローカルベンチャーの創出支援、オープンオフィス「□ship(スクエアシップ)」の運営などを行っている。
気仙沼市ではこれまでに経営者の育成を図る「経営人材育成塾」や「アクティブ・ウーマンズ・カレッジ」、若手が先輩経営者の話を聞く「ぬま塾」、高校生が地域活性化を提案する「気仙沼の高校生マイプロジェクトアワード」などさまざまな取り組みを実施。講座の〝卒業生〟からは起業する人も現れた。同所は「個々の活動をつなげば大きな復興の力になる。 その仕組みづくりや機運醸成を支援していく」と話している。
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