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スポーツライター 青島健太の注目アスリート 諦めずに戦う者だけが強くなる 世界に挑み続ける浜口選手

写真提供:産経新聞

今秋、日本医療科学大学(埼玉県入間郡)の学園祭で、女子レスリング・浜口京子選手と対談した。

アテネ五輪、北京五輪で銅メダル、残念ながらロンドン五輪ではメダルを逃したが、五輪に3大会連続で出場している女子レスリングの第一人者だ。10代からレスリングをはじめた彼女は、30代になる現在まで世界と戦い続けている。主な国際大会のメダルだけでも、かなりの数になる。世界選手権の金メダル5個、銀メダル2個、銅メダル2個。アジア大会の金メダル2個、銅メダル1個。アジア選手権の金メダル5個。とにかくすごい戦歴だ。

そんな彼女と話し合ったテーマは、ずばり「強さを求めて」~若者よ、格闘せよ~だった。

まず、彼女に率直に聞いた。どんなことを考えてマットに上がっているのか……と。

「これは、プロレスラーだった父(アニマル浜口氏)からずっと言われ続けてきたことなのですが、たとえ骨折しようが何があろうが、絶対に最後まで戦い抜く気持ちで相手に向かっていくということです」

事実、彼女は何があっても戦い続けてきた。アテネ五輪では相手のタックルが顔に入り、大きな青タンを作りながらも銅メダルを手にした。2006年の世界選手権では、明らかに故意と思われる相手の頭突きで鼻骨を骨折し全治4カ月の大けがを負わされた。それでも彼女はその試合を最後まで戦い続けた。

まさに闘志の塊。会場に詰めかけた若い世代に知ってほしかったのは、そうした彼女の戦う姿勢だった。しかし、それ以上に学生たちに参考になったのは、浜口さんもレスリングをはじめた当初は、本当は自信のないおとなしい少女だったということだ。それが、どうしてこんなに強くなれたのか。

「練習をコツコツ続けていると、今までできなかったことが少しずつできるようになる。そうすると楽しくなってきて、自信もついてくる。とにかく練習を続けているとその自分に自信が持てるようになって強くなるような気がします」

勉強も仕事もスポーツも、きっとみんな同じようなことなのだと思う。どんなことでも逃げずに戦う。とにかく諦めずに格闘し続けている人がどんどん強くなる。浜口京子選手は、そうやって世界と戦い続けてきたのだ。

青島 健太 スポーツライター&キャスター 1958年新潟市生まれ。埼玉県立春日部高校から慶応義塾大学、東芝を経てヤクルト・スワローズに入団。プロ野球初打席で初ホームランを記録。引退後は、オーストラリアで日本語教師を務め、帰国後、あらゆるメディアでスポーツの醍醐味を伝えている。

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