政府はこのほど、「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」を閣議決定した。同方針では、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中間年である2017年度に行われたKPIの総点検を踏まえて、地方・東京圏の転出入均衡という基本目標をはじめとする各基本目標の達成を目指して、地方創生の充実・強化に取り組むとしている。
同方針では、地域経済を再生していくためには、地域においてその特性を生かして、海外を含めた域外需要を獲得し、その効果を地域経済全体にもたらすことのできる「地域牽(けん)引事業」を創出していくことが重要と指摘。政府は、地域未来投資促進法に基づき、地域経済牽引事業に対し、予算・税制などによる支援を集中的に投入していく。さらに地域経済牽引事業の担い手となる地域中核企業の発掘・支援のため、地域の支援機関の連携を一層強化していく。
観光立国・観光先進国の実現に向けては、地域の個性を生かした魅力ある観光地域づくりを推進し、その地域の魅力を効果的に発信するために、観光地経営の視点に立った観光地域づくりやブランディングの中心となるDMOの形成・育成を加速させていく。また、古民家などの地域資源の魅力を高める取り組みを推進するほか、地域における文化財を活用した観光地域づくり・ブランディングの推進に取り組む。スポーツツーリズムの推進など、スポーツ資源を活用した地域活性化も進める。
さらに、UIJターン対策などの「ひと」と「しごと」に焦点を当てた「わくわく地方生活実現政策パッケージ」を策定し、地方創生を大胆に実行する。その際には、人口減少や高齢化の傾向が強まっている小規模の市町村に十分な政策効果がもたらされるよう地方と連携して推進する。
具体的施策としては、東京圏から東京圏以外の地域へのUIJターンによる事業承継を含む起業・就業の促進および人手不足に直面する地域の中小企業などの人材の確保を図るため、地方公共団体による全国規模のマッチングを支援する。併せて、地方創生推進交付金や雇用関係助成金を活用した必要な支援を行う。女性や高齢者などの新規就業者の掘り起こしについても、同様の取り組みを行う。こうした取り組みは、次期「総合戦略」の5カ年も含めた「6か年集中プラン」として実行する方針だ。
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