Q 私の店では酒類および食品を販売していますが、消費税の増税に伴い、平成26年4月1日以降の商品値札の価格表示は、どのように行えばよいでしょうか?
A 原則としては、消費者が税込みの総額をキチンと認識できるよう、総額表示することになります。しかし、総額表示義務の特例により、平成29年3月31日までは、一定の条件の場合には税込価格の表示を要しないものとされています。つまり、特例的に税抜価格での表示も認められています。
特例的に税抜価格での表示が可能に
平成25年10月1日から消費税転嫁対策特別措置法が施行され、平成29年3月31日までの間は、総額表示義務(消費税法第63条)に関わらず、特例的に税抜価格での表示が認められました。これに伴い、財務省から「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方」というガイドラインが発表されています。
このガイドラインは、「総額表示義務の特例」の適用を受けるために必要となる誤認防止措置の考え方およびその例を示すことにより、事業者の予見可能性を確保するとともに、消費者が商品等を選択する際の価格表示に関する誤認を防止することを目的としています。
ガイドラインでは、次のように表示価格が税込みでないことを認識しづらい表示を禁止しています。
・店内のレジ周辺のみの表示
・商品カタログの申込用紙のみの記載
・インターネットのウェブ決済画面のみの記載
このほか、一般消費者に見づらいなど、表示が明瞭でない場合も不十分とされます。
移行期間は店内の価格表示に注意が必要
値札の貼り替えなどを行う移行期間において、税抜価格のみの表示や旧税率での税込価格等の表示を行わざるを得ない場合は、これを明らかにする必要があるとして次の方法を例として掲げています。
・個々の値札に税抜きである旨、または税込みで用いた旧税率を明示する方法
・値札の色により区分する方法
・商品棚などに税抜きである旨、または税込みで用いた旧税率を明示する方法
商品等の価格を個々の値札に税抜価格のみで表示する場合、左表のような表示が認められています。
なお、個々の値札への表示が困難な場合は、税抜価格のみを表示し、別途、店内における掲示などで明瞭にその旨を表示することも認められています。チラシやカタログなども同様です。
また、4月1日をまたぐ場合など、値札の貼り替えが間に合わず、増税後も5%での税込価格で表示されている場合には、店内の目に付きやすい場所へ明瞭に、旧税率(5%)に基づく税込価格を表示している商品についてはレジであらためて新税率(8%)による精算・会計が行われる旨を掲示することが求められています。 (税理士 島田 哲宏)
税抜価格のみを表示する場合の誤認防止措置 ○○○円(税抜き)
○○○円(税抜価格)
○○○円(税別)
○○○円(税別価格)
○○○円(本体)
○○○円(本体価格)
○○○円+税
○○○円+消費税
価格表示のまとめ 参考・財務省HP:http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/250910tenka3.pdf
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