今月は、伊賀で受け継がれている組みひもづくりの技術を生かした、美しい絹のネクタイをご紹介します。
中国大陸から持ち込まれた組みひもは、古くは仏具や武具などの装飾に用いられてきました。しかし、明治維新以降は帯締めとしての需要が増え、現在も和装の装飾品として重用されています。
伊賀における組みひもづくりは明治35年、初代廣澤徳三郎がその技術を東京から持ち帰り、開業したことで地域に根付きました。絹糸を使った複雑な模様の帯締めは、高台(たかだい)と呼ばれる大掛かりな組み台を用いて組み上げられます。繊細な色彩や絹糸のつややかな光沢が美しく表現された逸品は、皇室からも愛されています。
廣澤徳三郎工房では、伝統的な帯締めのほか、組みひもづくりの技術を応用した日常生活に取り入れやすい商品を展開しています。「洋」の色合わせにこだわった組みひものネクタイは、一味違うおしゃれを楽しみたい人に選ばれています。
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