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もらってうれしい大人の手土産 熟成されたサバのうま味がじわり 「へしこ漬け」

「一口へしこ」(8枚入・国産)1944円(税込み・送料別)

北陸の旅の楽しみの一つが、「へしこ」を食べること。へしこは若狭の郷土料理で、魚のぬか漬けのことだ。主にサバが使われるが、イワシやフグ、イカなども、へしこになる。

生で食べてもうまいが、私の好みは断然〝焼きへしこ〟。周りのぬかをさっと払い、火で炙(あぶ)ると香ばしい匂いが漂ってくる。我慢できずにクイッとおちょこを傾ける。匂いだけで一杯飲めるなんて、落語のようだが毎度のこと。やがてチリチリとぬかの焦げる音がしてきたら食べごろだ。確かにぬかは塩辛いが、甘みや酸味がサバの身からじわりとにじみ出てくる。発酵の力が成すうま味だ。生で食べるときは、軽く水洗いして薄めにスライスし、酢じょうゆやレモンで食べる。こちらもサバの脂と塩味とが混じりあって、実にうまい。

へしこのつくり方は、まずサバを2~3週間塩漬けにする。そして一度取り出し、ぬかや唐辛子、秘伝の調味料などを合わせて、桶(おけ)に圧(へ)し込み、上に重石を乗せて半年間じっと寝かせる。「へしこ」の語源は、この圧し込む作業から来ているという。

若狭小浜は京へと続く鯖(さば)街道の起点のまち。都人(みやこびと)たちも、へしこを食べて若狭の海に思いを馳(は)せたに違いない。

Data

社名:株式会社田村長

住所:福井県小浜市小浜広峰14

電話:0770-52-0310

Information

電話のほか下記よりネットでお取り寄せも可能

https://www.tamuracho.co.jp

小林しのぶ 千葉県出身。いつも取材で世界中を飛び回っている行動派の旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。食べた駅弁の数は5000食を超え、「駅弁の女王」とも呼ばれている。『ニッポン駅弁大全』(文藝春秋)など著書多数。

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