うめぇ麺だから〝うーめん(温麺)〟。もっちりとした歯ごたえ、ツルツルとしたのどごし、一口ですすれる食べやすさ――。なるほど、「うめぇ!」と叫んでしまう。
温麺(うーめん)の始まりは江戸元禄の時代。白石(しろいし)は蔵王山を源とする白石川の清い水に恵まれ、昔はこの水を利用した水車で石臼挽(び)きした粉屋が発達した。温麺の原料は小麦粉と食塩と水のみ。小麦粉良し、水良しのこの土地に温麺が発祥し、広がっていったのは必然だったといえるだろう。
「素麺の長さは19㎝ですが、温麺は半分以下の9㎝。牛馬の荷台に乗せて峠越えするときに、麺が折れにくい長さを考たのではないかともいわれています」と、きちみ製麺社長の吉見光宣(きちみみつのり)さん。
そして、手延べそうめんは一般的に、麺に油を塗りながら延ばすが、温麺は油を一切使わず、水分だけの力に頼って延ばしていく。「切れやすいし、すぐにくっつくし、大変な作業ですが、白石温麺の真骨頂といえる製造方法です」(吉見さん)
食べ方はほかの麺類と同様、冷たくても温かくてもOK。くるみ、ごま、しょうゆの三色のたれを、ミョウガやシソ、ネギなどの薬味とともに食べる冷たい温麺もおすすめだ。
Data
社名:株式会社きちみ製麺
住所:宮城県白石市本町46
電話:0224-26-2484
Information
電話のほか下記よりネットでお取り寄せも可能
◆味処「光庵」
営業時間:11:00〜14:30
定休日:毎週木曜日、第3金曜日
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