日本商工会議所の三村明夫会頭は4月2日、定例記者会見の冒頭で消費増税について、「日商の関心は『増税分を価格転嫁できるか』というところにある」と述べるとともに、3月の日商の調査結果から「価格転嫁を懸念する企業は約3割」と指摘。特にBtoC(消費者向けの取引)を行う企業が困難な状況にあるとの見方を示した。
消費増税が景気に与える影響については、自動車産業や建設業の対応を例に「(生産の)反動減が少ないのではないか」と述べるとともに、政府の経済対策と日銀の対応、賃上げなどの状況が前回の増税時と異なり、「消費の下支えが期待できる」との考えを示したこれに加え、鉱工業生産指数の4月見通しの下落率が少なかった点にも触れ、「これも景気を下支えする要素だ」と述べた。
三村会頭は、さらに企業規模によって4~6月期の景況感に違いがあることに触れ、「消費税の価格転嫁の問題、エネルギーやそれ以外の物価上昇分の転嫁の問題もある。そうしたものへの対応力が企業規模によって違っているということが表れている」との考えを示した。
増税後の景気の落ち込みについては、「ファンダメンタルズの強さによる」と指摘。米国、欧州など先進国中心の景気回復が期待できる点、日本の消費者物価指数、失業率、求人倍率などの主要指標が上向きな点などから、「2月の大雪の影響はあったが、それを除けば力強い状況。4~6月期は、増税の影響はあるが、全体の勢いの中で吸収していける」との見方を示した。
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