商業統計によると、日本の小売業事業所数のピークは1982年の172万。最新となる2014年調査では78万に減少、なんと32年間で94万の事業所が消えたことになる。その内情は、チェーンストアを主役とする産業化が進む傍ら、中小零細規模の業種店が衰退していく過程でもあった。例えば家具業界を例にとると、全国に350店超チェーン展開し、売上高4100億円の規模を持つニトリが28期連続増収増益を続けている一方で、地域店は苦戦を余儀なくされている。
私見だが、このまま寡占化が進むことは、必ずしも生活者の暮らしを豊かにすることにはつながらない。それぞれの土地に、その風土や暮らしに根付いた小売業が存在することこそ、生活者の暮らしを彩り、豊かにする。
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