「ぜひ会頭になってくれ」との相談をいただき、目を丸くした時が39歳。就任時40歳、現在41歳という全国でも異例の若さで会頭に就任いたしました。
砂鉄から和鉄をつくるたたら製鉄を生業(なりわい)として私で25代目。明治維新以後、衰退したたたら製鉄を先ごろ約100年ぶりに復活し、地域の未来について熱っぽくいろいろなところで話をしてきた結果、そんな‶ふるさと創生バカ〟だからこそ、会頭という職につかせていただいたのだと思っています。右肩下がりの地方をどうするのかという命題の中で、島根・松江という地域の抱える危機感は大きく、その表れではないかと思います。
元来、言いたいことを言うタイプで、座っているのが苦手です。皆さまから期待されていることは、行動力と革新だと認識しています。最初は、正直、重責に悩みましたが、今は非常に楽しく仕事をさせていただいております。推薦していただいた諸先輩方には感謝しております。
その一方で、私はフジテレビ系列の地方局TSKさんいん中央テレビとそのグループ7社と、元々の家業である外食・住宅・地域特産業などを担う株式会社田部を中心とするグループ7社のトップも務めています。
テレビのグループでは、「山陰未来縁人(みらいえんじん)」という独自の基金をつくり、地元伝統工芸や地域スポーツの発展を応援しています。また、田部グループでは、地域開発、特に中山間地の振興発展事業を手掛けています。
その中で日本有数の人口減少、高齢化県である島根県の今後や、親藩大名松平家の庇護の下、お茶や文化が奨励された城下町‶松江〟の今後を見据えて、何ができるか、今格闘し模索しています。
島根の歴史は古く、神話の舞台でもあります。1000年以上の歴史を持つ神社仏閣が多く存在しています。市内には湖が二つあり、川が水路として巡っていることから‶水の都〟といわれ、日本海まで車でおよそ30分の距離にあります。こうした恵まれた環境にありながら、社会基盤整備の遅れが大きなハンデとなり能力を発揮し切れていません。材料は豊富にありますが一人では何もできません。これらを生かす名料理人を大勢養成していく必要があります。
当所2500会員の皆さまをはじめ、県内8商工会議所さらには商工会などの他団体との連携を深めて勢いをつけ、一気呵成(かせい)に事にあたってまいりたいと思います。
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