九州を旅していると、いろんな場面でかしわめしに出合う。町の弁当店、コンビニはもちろん喫茶店のメニューや駅弁売店にもかしわめしが並ぶ。かしわめしは間違いなく九州を代表する郷土めしだ。特に宮崎の都城エリアでは、昔から養鶏が盛んで、どこの家庭でも庭先に鶏を放し飼いにしていたという。来客時や慶事には鶏をつぶして、さまざまなかしわ料理をつくりもてなしたそうだ。
せとやま弁当の「かしわめし」は都城、西都城駅の駅弁である。まさに地元の郷土料理がそのまま駅弁になったもの。昭和30(1955)年の発売以来、どれだけの旅人の目や舌や胃袋を喜ばせてきたことだろう。
目を引くオレンジ色の掛け紙には可愛いヒヨコの行列。木箱のふたを開けると、なんとも食欲をそそる3色弁当が登場! 錦糸卵の黄色、刻み海苔の黒、かしわ肉の茶色の彩りが美しい。かしわは胸肉のスライスでしっかり細部まで煮汁の味が染みこんでいる。炊き込みご飯は鶏のスープが染み込んだ、奥深い味わい。一口食べれば幸せになること間違いない。
手土産に最適だが、遠方の方もあきらめないで。ありがたいことに冷凍のかしわめしも好評販売中。都城の味を皆さまでどうぞ。
Data
社名:せとやま弁当(せとやまべんとう)
所在地:宮崎県都城市松元町1-1
電話:0986-22-1000
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