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アジアの風〜ビジネスの先を読む〜 コロナ感染第3波

中国到着後、2週間隔離される宿舎では、防護服のホテル従業員が毎食、プラ容器入りの弁当を部屋の前に配り、1日2回の検温も(広州市で)

新型コロナウイルスの感染は専門家の多くが予想した通り、北半球の冬場になって第3波が世界を襲っている。欧米の状況は深刻であり、アジアでも再燃している。これが意味しているのは人類は今後もコロナと常に向き合わざるを得ない、ということである。

アジアの感染は相対的に軽く、人口あたりの感染者数、死亡者数も欧米よりかなり低い。集団的な体質・免疫が影響しているとの説が有力だが、やはり出入国の水際対策、国民全体の自主的な防衛策や外出抑制の呼びかけなどが効果をあげているのは間違いない。

日本にとって中国、韓国、東南アジアは進出企業数や売上高などで突出して大きいが、3月以降、出張など人的交流は劇的に細った。日本から渡航すれば、PCRや抗体の検査に加え、到着後2週間の現地での隔離が義務化されているからだ。用件は2、3日で済むのに、2週間も足止めされてはたまらない。やむを得ず渡航し、隔離を経験したビジネスマンに聞くと、中国では同じフライトで到着した入国者はバスで指定ホテルに移動させられ、2週間、部屋から出ることは基本的に許されない。1日2回の検温があり、食事は3食ともプラスチック容器に入った弁当が部屋の前に置かれ、それを自分で取って食べるだけ。「待遇は大きく違うにせよ、刑務所や強制収容所を連想した」という。唯一の救いはお金を払えば、デリバリーの食事を注文したり、物品を購入したりできることだという。

タイでは到着後の隔離宿舎がバンコク市内の5つ星ホテルに指定され、2週間の宿泊費(食事代込み)が40万円を超えたと頭を抱える日本人駐在員もいた。

第3波の被害を最小限にするには、やはりこうした渡航制限や行動規制を続けざるを得ない。テレワーク、オンライン会議・商談を緊急避難的措置ではなく、通常の業務フローにすることが急務である。「コロナ感染が下火になれば、旧に復する」といった発想こそ業務の混乱、事業の停滞を招くだけだ。積極的なデジタル化投資、業務フローの見直し、社員のデジタルスキルの向上の3点が勝ち残りの鍵となる。この3点は本来、コロナ感染に関係なく進めるべきテーマであり、本質的な競争力強化戦略である。

特定市場の需要回復やワクチン開発進展などのニュースに一喜一憂するのではなく、今は企業の競争力の本質に目を向けるときである。世界を見渡せば、アジア経済に最も大きなチャンスがあることに変わりはない。

後藤 康浩(ごとう・やすひろ) 亜細亜大学 都市創造学部教授 早稲田大学政経学部卒、豪ボンド大学MBA取得。1984年日本経済新聞社入社、国際部、産業部のほかバーレーン、ロンドン、北京などに駐在。編集委員、論説委員、アジア部長などを歴任した。2016年4月から現職。アジアの産業、マクロ経済やモノづくり、エネルギー問題などが専門

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