東京會舘(東京都千代田区)よりオンライン配信 2021年9月16日 担当:広報★ブランディング委員会
日本YEGは、4月に開催された全国会長会議の第1部・2部に続き、第3部として日本商工会議所三村会頭の講演会を全国の単会会長・会員に向けてZoomとYouTubeを使いオンラインで配信した。各地のリーダーとして活動するメンバーに、今後の会の運営や企業発展に対するメッセージが送られた。
レジリエンスを備えることでコロナ後に有利な地位を
三村会頭は、まず社会経済活動への大きな影響をもたらす経済危機やパンデミックなどについて「繰り返し発生する特有の危機」と表現。その中にあっても「ステークホルダーへ基本的サービスを提供し続けること」や社会変革や課題に対し、自らを変革する能力である「レジリエンス(しなやかに回復する力)を備えること」の重要性について述べた。
そして、その渦中にさまざまな課題に着手することは、後の社会でより有利な地位を得ることにつながるとし、「レジリエンスを具体的に実行するのは企業および企業家。体現者としての役割を自覚し、変化した環境に合わせ自己変革する試みをできるだけ早くスタートすべき」とエールを送った。
中小企業はアジャイルな変革を
コロナ禍によってもたらされた地方分散化やデジタル化の推進などについて「企業構造の変革を促し、新しい事業機会の提供につながる」と捉えている三村会頭は、「これらのチャンスを生かし変化した世界に対応するのは、アジャイルな中小企業の方が有利」と、積極的に行動することを求めた上で、中小企業の最大の課題である生産性の向上へつながるデジタル化の推進や、企業変革につながるイノベーションの実行、そして海外マーケットへの進出へ向けて、「中小企業の中にレジリエンスが眠っている。知恵を絞り、企業人が自らを変える勇気が必要」と話した。
渋沢栄一翁から経営を学ぶ
講演の後半では、渋沢栄一翁の「私益と公益は両立しうるもの」との主張について、「公益とは社会を豊かにし、人々を幸せにすること」と解釈しており、さらに「それらを理念ではなく具体的にどう両立させるのかという問いを発している」のだと説明した。また、それに関連した質疑応答では、「三村会頭自身が経営者として大切にされていたことは」との質問に対し「従業員に自身の仕事を通じて社会に貢献しているという誇りと喜びを与えることが重要」と答えた。最後に「企業経営者はコロナから脱出するためのレジリエンスの体現者として、企業の存在理由を問い、多くの社会課題に理念のみならず具体論をもって向き合い、民が日本の成長を主導するという決意を持って行動してほしい」と締めくくった。
2021年度日本YEG公式サイト
2021年度の日本YEGでは「全国の単会のためになる活動」「日本YEGだからこそできる活動」にこだわって活動してまいります。
詳細はこちら ▶ https://yeg.jp/
YEG活動・展開とその未来
日本YEG執行部に聞く「YEG活動・展開とその未来」は今回、ブロック大会を終えた北村北海道ブロック代表理事と、これから大会を開催する稲見四国ブロック・廣畑九州ブロック各代表理事へのインタビューを対談形式で紹介する。
―北海道ブロック大会は9月初旬に大会を終えられました。
北村 はい、オンライン開催とはなりましたが、9ブロックのトップバッターとして大会を開催しました。完全オンラインでの配信は実感が得られにくく、レスポンスを受ける点では課題があるように感じました。
―皆さまはYEGや大会が持つ役割、親会や行政との関係性についてどうお考えですか。
廣畑 以前は地元におけるYEGの存在感が希薄でしたが、できることを一つひとつ取り組んでいく中でメンバーも増え、行政から頼られるような関係になりました。
稲見 親会には、青年部らしく元気に活動する姿を見せることが重要だと思います。所属するメンバーにとって何ができるのか、大会も普段の活動もそれが役割だと考えています。
北村 今回の大会開催に関して、親会からは「後悔するくらいだったら思い切ってやれ」と言っていただきました。事務局にも、国のガイドラインや自治体の対応を盛り込んでもらうなど助けてもらいました。
―それぞれの単会、もしくは地域の魅力をお聞かせください。
稲見 西条YEGは、厳しく意見を交わしながら準備し、また検証までしっかり行うことにより、内容の濃い事業を開催できていると思います。
北村 北海道の土地柄か、皆のフットワークが軽いことです。また、資金積み立てをするなど、先を見据えながら北海道連内の関係性を築いてくれています。
廣畑 単会として地域、経済の活性化について考えていることです。また、既存のものを利用するのではなく、新しいことを皆で考えようという取り組みは強みだと感じています。
―皆さまが思うリーダー像とはなんでしょうか。
稲見 ブレないこと。ただしその根本が私心であってはダメ。ブロックであれば各県連のためにどうあるべきかを考え、判断を実行することが大事です。そして、責任の所在はリーダーが請け負う覚悟を持つことも必要です。
北村 人を導ける人。自身もいろいろな方に育てていただきました。その人の良い面を見つけて次のステージへと引っ張り上げる存在に私もなりたいと思っています。次のステージとは立場や役職はもちろん、自身が気付いていない、避けているところに興味を持たせることも含まれると考えています。
廣畑 聞くことが大事であると常々気を付けています。また「普通は」という言葉を使わないように心掛けています。いろいろな話を聞いた上で経験を基に判断し、そして決断することが重要だと思います。
―最後に、大会への意気込みや取り組みをお聞かせください。
廣畑 商売につなげたい、友人をつくりたいなど、メンバーの入会動機はさまざまです。「Gift of YEG」という大会テーマの下、それぞれに合った八つのGift(大会テーマ)を届けたいと思っています。
稲見 当初考えていた形での開催は難しく、延期を決めました。対面参加での開催について保証はないですが、可能性に懸けてみたい。YEG活動からの学び、自社業に生かせること、地域を盛り上げることを感じてもらいたいです。
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