経済産業省と公正取引委員会は11月25日、経済産業大臣、公正取引委員会委員長の連名で関係事業者団体約1600団体に対し、下請取引の適正化を要請する文書を発出した。ウクライナ情勢や円安などの影響によりエネルギー価格や原材料費の高騰が長期化する中、年末にかけて資金需要が高まるため、下請事業者の資金繰りに支障を来すことがないよう下請代金支払や親事業者の遵守すべき事項などを明示し、注意を促している。
適正な価格転嫁の実現に向けては、下請事業者と親事業者との間で積極的な価格交渉と価格転嫁を行うとともに、下請事業者への不当なしわ寄せが生じないよう、親事業者と会員に対する周知徹底を要請。下請代金支払などの適正化については、「下請代金の支払いはできる限り現金払いに切り替えること」「下請事業者における賃金の引き上げが可能となるよう、十分に協議して取引対価を決定すること」「毎年9月と3月の『価格交渉促進月間』の機会を捉え、少なくとも年に1回以上の価格協議を行うこと」「パートナーシップ構築宣言を行い、定期的に見直すこと」など「振興基準」に定めた事項を示した。
親事業者の遵守すべき事項も改めて明示した。親事業者の義務に関しては、「書面(注文書)の交付および書類の作成・保存義務」「下請代金の支払期日を定める義務および遅延利息の支払義務」などを下請法に沿って説明。親事業者の禁止行為も、「受領拒否」「下請代金の支払遅延」「下請代金の減額」「返品」「買いたたき」「物の購入強制・役務の利用強制」「報復措置」「有償支給原材料などの対価の早期決済」「割引困難な手形の交付」「不当な経済上の利益の提供要請」「不当な給付内容の変更・やり直し」の11項目を掲げ注意を促した。
詳細は、https://www.meti.go.jp/press/2022/11/20221125001/20221125001.htmlを参照。
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