八戸YEG
全国のYEGでは、地域の特性に応じたさまざまな特徴ある事業に取り組んでいる。今回は、八戸YEG(青森県)が全員で協力して共催している「2018 八戸港カッターレース」について紹介する。
青森県八戸市は、商業港・漁港・工業港などのさまざまな港を有する東北屈指の港湾都市であることに加え、八戸湊朝市や、種差(たねさし)海岸など、自然・歴史・文化・食などの魅力ある資源に恵まれている地域である。
「八戸港カッターレース」は、八戸YEGが、デーリー東北新聞社・八戸海洋少年団との共催で運営・実施しているもので、ウォーターフロントである八戸らしい体験型イベントを通じて、海に親しむ機会を提供し、海に対する理解と関心を深めてもらうことを目的にしている。また、東日本大震災後は、八戸市の復興状況や、三陸復興国立公園の指定を全国にPRすることも目的に加えた。
カッターレースは、カッターボートに6人が各々オールを持って乗船し、艇長の指示にあわせて360mを漕ぎ、タイムを競うもの。参加者がオールを合わせて漕ぐことにより、スピードを出すことが可能で、180mでの折り返し地点でのテクニックも勝敗を分ける大きな要素となる。
ちなみに、使用されるカッターボートとは、船舶に搭載されているボートのことで、船体後部を切断した形をしているため、「カッター」と呼ばれている。本来の目的は、遭難者の救助、緊急時の脱出のためのものだ。
今年度のレースは、7月22日、八戸港ポートアイランド第2船溜(ふなだまり)で開かれた。過去には水産関係者が中心となって実施していたが、八戸YEGが共催として関わり始めた2008年度より、現在のような大会形式で運営されるようになった。今回で八戸YEGが関わって11回目となり、カッターレースとしては、横浜市、神戸市に次いで全国で3番目の規模にまで成長した。
昨年度は荒天で中止となったため、今回は2年ぶりの開催となったにもかかわらず、青森県内外から76チーム、約600人が参加・出場した。
レースは、3チームずつ26組に分かれた予選を経て、タイムの速かった上位3チームによって決勝戦が行われた。横浜市の「T・I・T CUTTER CLUB」が2分42秒62の好タイムを出し、2015年の大会に次いで2度目の優勝に輝いた。
八戸YEGは、大会の運営などを行いながらも、各委員会ごとにレースに参戦した。東北県連合会のメンバー、十和田YEG、弘前YEGからの出場もあり、熱いレースを展開して会場を盛り上げた。YEGチームは決勝には残れなかったが、『八戸YEGみなと創生Aチーム』が4位と好成績を収めた。
応援に訪れた出場者の友人や家族とのバーベキューを楽しむ姿も見られ、八戸YEGの思い描いた通りに市民と一緒に楽しめることができる事業となった。
カッターレースを始めてからの八戸YEGについて
2018年度単会会長 柏崎瑞貴氏
「カッターレースを始めてから、八戸YEGメンバーの絆が一層強くなりました。一つの目標に向かい一致団結して事業に取組むという姿勢に変わりました」
カッターレースへの思いについて
2018年度みなと創生委員会委員長 菊地優一郎氏
「市民の皆さまにも、このカッターレースを通じて、もっと八戸のことを好きになってほしいですし、今後もその一翼を担っていきたいです」
カッターレース大会の今後の展望について
2018年度単会直前会長 葛西慶信氏
「将来的には、日本で一番の大会規模にして、外国の方にも参加してもらえるようにしていきたいです。レースをやることで、県連や東北の他のYEGメンバーがカッターレースに参加して関わりや交流を持ち、お互いに刺激を受けながら私たち八戸YEGもほかの地域のYEGの事業に参加して、相乗効果で東北を盛り上げていきたいです」
2018年度みなと創生委員会副委員長 松橋里実氏
「YEGのつながりで、横浜市や神戸市の視察に行ったり、福井県敦賀市でもカッターレースをやっていることを知りました。また、それぞれの大会で八戸のPRをやらせていただいことで、横浜や敦賀のチームが八戸に来てくれるというのは、YEGだからこそのつながりだと思います。今後もただ開催するだけではなく、積極的に情報発信することで、レースの規模を大きくしていきたいと考えています」
取材・写真撮影:日本商工会議所青年部(日本YEG)総務広報委員会
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