約3分の2は容器包装ごみ
皆さんは自分の家から毎日どれくらいのごみが出ているか知っていますか? 日本全国の一般廃棄物(ごみおよびし尿)の2022年度の年間排出量は約4034万トン、東京ドーム約108杯分、1人1日当たりのごみ排出量は約880グラムになります。このうち家庭から出る生活系ごみは、約2841万トン、東京ドーム約76杯分になります。4.8日で東京ドームをいっぱいにしてしまう量が家庭から出ているのです。
その内訳は、容器包装ごみが、重さ(湿重量比)では28.6%ですが、かさ(容積比)では63.5%=約3分の2と多くの割合を占めています(図1)。
容器包装とは商品を入れるもの、包むものであり、PETボトル、ガラスびん、缶、段ボール、ティッシュの箱、レジ袋、シャンプーや洗剤のボトルなどが該当します。
このように多くの割合を占める容器包装ごみですが、資源としてリサイクルできるものが多く含まれ、さまざまなものに再利用されています。本連載ではこの容器包装リサイクル制度について、全9回にわたって簡単に分かりやすく解説していきます。
容リ法制定の背景
今回は、第1回としてこの制度の基礎となる容器包装リサイクル法(容リ法)が制定された背景について解説します。
容リ法は1995(平成7)年に制定されました。日本は高度成長期以降、「大量生産・大量消費・大量廃棄」によって発展してきました。この社会・経済システムによって生み出された廃棄物は増大の一途をたどり、法制定当時は7~9年で廃棄物を埋め立てる最終処分場(埋立地)が足りなくなり、溢れかねない状況になっていました。このため廃棄物の発生を抑制するとともに、廃棄物をリサイクルすることによって、廃棄物の減量と併せて資源の有効活用を実現することを目的として、容リ法が制定されたのです。
2022(令和4)年度時点では、埋立地の残余年数は23.4年まで延びています(図2)。また一般廃棄物のリサイクル率も、近年は横ばい傾向にあるものの、1995年度に9.8%であったものが19.6%と改善されています。
公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会▶ https://www.jcpra.or.jp/
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