人間の体には、体内を一定の状態に維持しようとする働きがあります。その状態を保つために休養が必要になると、体が重い、集中できない、何をするのも億劫(おっくう)に感じるなどの症状が現れます。これが「だるさ」の正体です。
だるさを招く原因は、働き過ぎによる疲労の蓄積、過度の運動による体の酷使、不規則な生活、睡眠不足、栄養バランスの乱れ、精神的なストレスの蓄積など多岐にわたります。加齢も要因の一つですが、男女を問わず幅広い年齢の人に現れます。
だるさというと、つい軽く捉えてしまいがちですが、放っておくとQOL(生活の質)や仕事のパフォーマンスを低下させます。体が発したサインと受け止め、対処することが大切です。
だるさを感じたときは、まず規則正しい生活を心掛けましょう。栄養バランスの良い食事を取り、快適な環境でリラックスして、ゆっくり眠ることで大抵は数日で回復に向かいます。
生活全般を見直してもだるさが長く続くようなら、何らかの病気が隠れている場合もあります。例えば、感染症、貧血、心臓や肝臓の病気、糖尿病、慢性疲労性症候群、甲状腺機能異常、更年期障害、低血圧、睡眠時無呼吸症候群、うつ病や心身症、がんなどです。もし、だるさ以外に発熱、体のどこかの痛み、食欲の変化、体重減少、動悸(どうき)、息苦しさなどの症状があるときは、内科または心療内科を受診しましょう。 ほかにも、既往歴や現在治療中の病気で薬やサプリメントを服用している場合も、だるさを招くことがあるので、主治医に相談すると良いでしょう。
特に気になる症状はなく、生活を見直してもだるさが2週間以上続いている場合も、念のためかかりつけ医などを受診することをお勧めします。その際、症状をアレンジせず、感じているままを医師に伝えることがポイントです。例えば、「朝が特にだるくて、いつも起きていた時間に起きられない」「今まで10分で歩けた距離に15分以上かかる」といった要領です。
だるさを感じたときは、自分なりの対処法を知っておくと、心身のコンディション維持にも有効です。
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