汗というと「臭いが気になる」「不快」などといったネガティブなイメージを持たれがちですが、健康を保つために極めて重要な生理現象です。
汗の大きな役割は体温の調節です。汗として皮膚の上に水分を出し、それが蒸発することで、気温の上昇や運動、発熱などで高くなった体温を下げます。また、緊張時に手のひらに汗をかくのは、手の感覚を鈍らせないようにして、戦いなどで有利にするためともいわれています。つまり、人間の生命維持に不可欠な働きをしているのです。
とはいえ、汗には良い汗と悪い汗があります。汗は血液からつくられ、血中のミネラルと水分が汗腺に取り込まれた後、体に必要なミネラルが血液に再吸収されます。サラサラした水分が皮膚から適量出てくるのが良い汗で、ほぼ無臭です。一方、汗腺の機能が低下してミネラルの再吸収が正常に行われないと、濃度の高いネバネバした水分が出てきます。これは悪い汗で、臭いもあります。また、必要以上に大量にかくのも悪い汗です。もし、日常生活で困ったり、邪魔になったりするほど汗が出るようなら多汗症が疑われます。
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