高市早苗内閣は8月5日に、2027年度から2年間に限り、飲食料品の消費税率を8%から1%に引き下げることを閣議決定した。税率を1%にするのと併せて、低所得者に簡素な給付を出すことで、「実質ゼロ」化するという。そのために必要となる財源は、年間5兆円と見られる。
そのために必要な財源について、高市首相は「『特例公債(赤字国債)に頼らず』に確保してまいります」と明言した。果たして、5兆円もの財源を特例公債に頼らずに確保できるのだろうか。
高市首相は、租税特別措置・補助金の見直し、外国為替資金特別会計などの税外収入といった、あらゆる歳入確保の取り組みをゼロベースで進めようとしている。だがしかし、5兆円にも達するとイメージできるような、具体的な財源は示していない。
確かに、不必要な租税特別措置や補助金の見直しは、積極的に行うべきである。しかし、それだけで5兆円もの財源が捻出できるかというと、かなり難しい。現在ある補助金は、長年にわたって、与党である自民党がつくってきたものが大半である。そこには今まで恩恵を受けてきた国民がいて、簡単に切り捨てることはできないだろう。
例外的に認められた減税措置などの租税特別措置は、総額でいえば5兆円を超える減税措置があるから、多くをやめられれば財源は捻出できるかもしれない。しかし、租税特別措置の中には、中小企業の法人税を、本則の19%を15%に引き下げる措置もあるし、設備投資を促進する税制もある。NISA(少額投資非課税制度)の非課税措置も租税特別措置である。
租税特別措置をなくすということは、「増税」にほかならない。これから「成長投資」を促すとうたっている高市内閣が、法人税を事実上増税するような租税特別措置の廃止を積極的に行えば、政策がどちらの方向に向かっているか分からなくなる。
