日本人の1日の平均塩分摂取量(※)は現在、男性が10・8g、女性が9・1gです。この10年で徐々に減ってきてはいますが、世界基準の5gと比べると高水準で、厚生労働省は摂取目標量を男性8g未満、女性7g未満と定めています。
とはいえ、味付けの好みは長年培ってきた習慣です。濃い味付けに慣れている人はそれが当たり前になっており、本人にその自覚がない場合がほとんどです。
そこで無理なく減塩していくために、まずは“付ける量を減らす”ことが第一です。具体的には、味見もせずにしょうゆやソースを食材にかけるのをやめましょう。食べてみて物足りなかったときは、調味料を小皿に取り、食材を付けながら食べるようにすると、食材の上からかけたときの3分の1程度の量で済むといわれています。
刺し身やギョーザなどを食べる際も、しょうゆやタレに端を少し付ける程度にとどめましょう。塩分が足りない分は、酢、わさび、ラー油、ごま油、スダチやカボスなど、香りを上手に足すと満足度がアップします。
目に見える調味料を減らしたら、今度は料理の味付け自体を薄くしていきましょう。例えばみそ汁なら、具をたくさん入れてだしを利かせ、汁の分量を減らします。それに慣れたら、次はみその量を減らして、味付けを薄くします。最初から味付けを薄くするよりも、段階を踏んだ方が継続しやすくなります。おわんもひと回り小さいものに変えましょう。みそ汁に限らず汁物には塩分が多く含まれているので、麺類のスープは残すことが大切です。
また、焼いたり炒めたりする調理では、調味料を極力抑えて、食べる際に少し味を足すようにするのも上手に減塩するこつです。 これらを1カ月も続けていると、薄味に慣れてくるものです。そうして、素材本来のおいしさに気付いたらしめたもの。もう濃い味付けには戻れなくなります。
※2017年国民健康・栄養調査(厚生労働省)より
最新号を紙面で読める!