本年は明治維新から150年の節目にあたります。維新というこの国の大きな変革に中心的役割を担った「西郷さん」を輩出した鹿児島にとっては大切な年です。
私は本年のNHK大河ドラマを明治維新をテーマにしたものにするために、鹿児島県商工会議所連合会長として県知事や鹿児島市長と共にオール鹿児島で3年間働きかけて実現したことをとても意義深く感じています。しかも、その主人公を「西郷さん」にできたことは大成功であり、個人的にもうれしさひとしおです。
私の会社は、祖父が創業して約90年がたちます。大小合わせて50社ほどの会社をグループ経営しています。バス・船舶などの運輸事業のほか、ホテル・ゴルフ場やガソリンスタンド、レンタカー事業などもあり、典型的な地域密着企業です。
小泉改革以降の経営環境の変化で大変困難な経営状況となりましたが、社員数を5000人強から3000人弱にするなどの合理化を実行し、なんとか生き残ることができました。
弊社は、その事業内容から観光事業者にカテゴライズでき、その関わりは昭和27年に祖父がバス会社を買収し、29年に指宿の観光地化に着手した頃から始まります。
祖父は当所会頭を44年から18年間、父は63年から12年間、おのおの務め、私も平成25年に就任して、現在二期目です。祖父は会頭就任直後から「鹿児島を国際観光都市にする」という目標を掲げ、国際航空路線の開設や大型クルーズ客船の誘致などに努力しました。父も祖父の方針を引き継ぎ、ソウル│鹿児島、台北│鹿児島、香港│鹿児島線の開設などに尽力するとともに、クルーズ客船の専用バース建設などにも努力しました。
鹿児島には世界レベルの豊かな自然と天孫降臨や明治維新という唯一無二の歴史コンテンツもあります。黒毛和牛や黒豚だけでなく、ソラマメやタケノコなどの農産物、ウナギやカツオなどの水産物など、おいしい物が、しかも豊富にあります。さらに温泉も、山も、海も、島もあり、種々のアクティビティーも楽しめます。
しかし、観光はグローバル、コンペティションが必至の産業であります。いかにポテンシャルがあっても顕在化しなければ、勝者にはなれません。当所のリーダーシップが試されていると強く感じる今日この頃です。
最後に、祖父が半世紀前に創ったキャッチフレーズを本稿の表題としてご紹介いたします。
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