福井県では2月、記録的な大雪に見舞われた。福井市では昭和56年以来、37年ぶりに積雪が130センチメートルを超え、福井市の東に位置する勝山市では市街地で積雪が2メートルに達した。福井県を縦断する国道8号線では大雪により車の立ち往生が発生し、巻き込まれた車の数は一時1500台を超えた。さらに大雪が原因となる死者も発生。そこで福井商工会議所と勝山商工会議所は、管内事業者の被害状況を把握し支援につなげるため、調査を実施した。
福井商工会議所は2月15~19日、「豪雪の影響に関する調査」を実施し、884社から回答を得た。大雪の自社への影響について、61・6%が「大きな影響があった」、36・2%が「少し影響があった」と回答し、業種を問わず広範囲に影響があった。
自社への影響の内容については、「出勤できない社員がいた」が87・6%と最も多かった。積雪による道路状況の悪化や交通の乱れが原因で社員が出社できず、正常な事業運営が難しくなったことが伺える。行政などへの要望については、「除雪・排雪体制の整備」が91・5%と最も多かった。
なお、同所では、同調査の結果を基に、中小企業の支援に向けた要望書を福井県に提出。その結果、利子補給付き融資などを含む緊急資金制度の創設が実現した。
勝山商工会議所は2月14~26日、「大雪の影響に関する緊急調査」を実施し、147社から回答を得た。大雪の自社への影響について、53・1%が「大きい」、36・1%が「少し」と回答し、約9割の事業者に影響が生じた。
自社への影響の内容について、「仕入れの遅れ」が59・2%と最も多く、次いで「売り上げが減少した」が57・1%だった。一方で、「出勤できない社員がいた」は37・4%だった。
勝山市では市内に物資を運ぶためのルートの除雪ができず、仕入れの遅れや燃料が届かないことが特に問題となった。燃料が届かず操業停止に追い込まれた工場もあった。
行政などへの要望については、「除排雪体制の整備」が63・9%と最も多かった。
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