プロゴルファーは、1日に600とか700個のボールを練習で打ちます。そんなに打って、よく手のひらが痛くならないものだと思う人もいるでしょう。手のひらが痛くなったり、マメができたりしやすい人は、クラブを強く握っているからです。
クラブは「握る」より「持つ」意識が大切です。「握る」というのは、手のひらでモノに圧力をかけるイメージがあると思います。しかし、それではグリッププレッシャーが強くなりやすいのです。それに対して、「持つ」というのは、モノの重さを感じて下から支えることです。ボールを握ると手に力が入りますが、持つと力は入らないはずです。ペンでも包丁でも車のハンドルでも同じですが、どんな道具も握ったりつかんだりしたら、その性能を100%発揮させることはできません。道具は持って使うことが大切なのです。
正しくクラブを持つために必要なことは、まず、正しい姿勢をとることです。右のイラストを参考に、正しい構えを自分のものにしてください。正しい構えができたら、持ちにくいモノ、重いモノを持って素振りをしてください。たとえば、グリップにタオルを巻いたクラブ、3㎏くらいあるボール、バット、竹箒(たけぼうき)などを持ってスウィングするのです。そうすれば、自然にモノを腰や背中で感じられ、クラブを「持つ」という感覚がつかめるはずです。
とにかく、グリッププレッシャーが強いと上半身が力んでクラブの重さが感じられず、クラブも体もコントロールできません。すると、クラブの軌道も打点も安定せず方向性も悪くなります。さらに、クラブの運動量も減って、飛距離も落ちるのです。クラブを強く「握る」のは、ゴルフの上達を遅らせると認識してください。
イラストレーション:アカハナドラゴン
最新号を紙面で読める!