今月は、小田原を代表する土産品として全国的に知られる、小田原ちょうちんをご紹介します。
江戸時代の中頃、ちょうちん職人・甚左衛門(じんざえもん)により生み出されたと伝えられる小田原ちょうちん。東海道中最大の難所といわれた箱根峠に挑む旅人のために、「三徳」と呼ばれる三つの特徴を備えています。一つ目は、畳んだときに胴にあたる和紙の部分がふたの中に収まり、懐中にしまえること。二つ目は、中骨の竹ひごが太く平たいため胴紙との接着面が広く、雨や霧がしのげるほど丈夫であること。三つ目は、上下のふたが大雄山最乗寺の霊木でつくられていること。当時、箱根を越える旅人にとって小田原ちょうちんは、夜道を明るく照らすだけではなく、魔除けのお守りでもあったのです。
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