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現代に息づく職人技 「かや野菜袋」

持ち手は茶道具の桐箱のひもなどに使われる丈夫な真田紐(さなだひも)。大小2サイズ、竹・山吹・桜・空など9色あります 撮影:加藤正博

今月は蚊帳(かや)生地の特性を生かした野菜袋をご紹介します。

平城京の時代から奈良は麻布の産地として知られ、江戸時代中期まで市場を独占する勢いでした。しかし、明治に入ると人々の衣服が変わり、織屋の多くは蚊帳織物の製造に転じることで生き残りを図りました。その蚊帳もあまり見かけなくなってしまいましたが、今では野外用テントのモスキートネットや熱帯地域への支援物資などに多く使われています。

奈良を愛し、奈良の文化を暮らしに生かしたいという思いで設立した井上企画・幡では、蚊帳の通気性と涼しげな風合いに着目し、野菜の保存袋の製作を企画しました。目の粗い平織りなので〝目ずれ〟しやすいという難点がありましたが、培ってきた糊(のり)付け技術や、織り方に独自の工夫を加えることで、美しく耐久性のある袋に仕上がりました。タマネギ、ジャガイモ、にんにくなどを、スタイリッシュにつるして保存できると主婦や飲食店に人気があり、ギフトとしても喜ばれています。

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